2024年12月11日
半導体露光装置をマレーシア東部へ

半導体露光装置をANA未就航空港のマレー
シア東部へ輸送いたしました
半導体露光装置は、半導体製造装置の中でも「史上最も精密な機器」と言われ、温度変化や衝撃に弱く、輸送にも細心の注意が必要です。今回は、近年半導体関連投資が盛んなマレーシア東部へ半導体露光装置を輸送いたしました。ANAでは、これまで半導体露光装置の輸送実績はありましたが、未就航空港への輸送は今回が初めてのケースであり、未就航空港へ半導体露光装置を輸送するというハードルの高いケースでしたが、お客様との密なコミュニケーション、社内各部門の連携により無事に輸送が完了いたしました。


輸送における3つのポイント
ポイント① オフライン空港へのネットワーク調整
ANA未就航空港へのチャーター運航であった為、現地のハンドリング体制の構築(ハンドリング委託先選定)や現地空港特性の調査(滑走路は何時まで使用できるか、権益上の問題はないか)などの確認を行いました。通常このような調整には3ヶ月程度のお時間を頂戴しておりますが、今回はフォワーダー様・荷送人様・荷受人様間でのご調整もあり、社内の担当部門に交渉をし通常よりも短い2ヶ月程度で調整を実施いたしました。
ポイント② 搭載位置の調整と丁寧なハンドリングの提供
今回の輸送は重量・サイズ共に様々な貨物が計40PCS程ありました。特に、重量が重い貨物(約8,000kg)は航空機の機体特性上、それだけで搭載できる場所が限定されてしまいます。そんな中、必ず一回の輸送で全て搭載ができるよう(一度きりのチャーター便の為)、現場のプロフェッショナルユニットと連携し全ての貨物を搭載できるよう、パズルのような作業を行いました。
また、貨物の中には非常に敏感なショックウォッチがついており特に衝撃に配慮が必要なものもありました。上屋と航空機間の搬送や航空機搭降載時にも振動を最小限にするよう、フォワーダー様・荷送人様にも立ち会いいただきながら丁寧かつスピーディーにハンドリングを完了しました。
ポイント③ 温度管理
半導体露光装置には暴露時間が設定されており、機内での温度調整は必須です。お客様のご指定温度を維持する為、出発の3時間前から温度調整を開始しました。また、上屋と航空機間の搬送時も可能な限り外気温に晒す時間を短縮する為、航空機を成田空港の貨物上屋の目の前に駐機し、最短ルートでの搬送を実現しました。
※暴露時間:貨物が外気に触れて良い時間
ANA Cargoでは、半導体製造装置をはじめとした精密機器に特化した輸送サービスPRIO Sensitiveをご提供しております。お客様のご要望に応じたソリューション提供を行っておりますので、是非お問い合わせください。
お客様・関係者の声

伊藤 大貴さん
グローバルネットワーク部 運賃制度課
(本チャーター運航時:グローバルネットワーク部 ネットワーク企画課)
お客様のご要望をもとに運航・貨物輸送に関わる社内外の各部門との調整窓口を担当しました。
史上最も精密な機器である半導体製造装置を輸送するということで、私自身も貨物や輸送に関する注意事項を正しく理解し、関係部門にご納得いただいたうえで、ひとつずつの調整を進めていくことを心がけました。
旅客便含め就航実績のない地点へのチャーター便運航ということで、多くの課題がありましたが、ANAグループの強みのひとつである「チームスピリット」があったからこそ、それぞれの課題に対して最適解をお客様にお伝えできたのではないかと思っております。
お客様のご理解とご協力に心より感謝いたします。
調整期間も短く、社内関係部署のみならず、お客様とも緊密な連携があったからこそ、この輸送プロジェクトを完遂できたと考えております。

植田 祐介さん
北京支店北京空港所セクションマネージャー
(本チャーター運航時:オペレーション企画部オペレーション企画課)
半導体製造装置の輸送には厳格な温度管理が求められ、事前に貨物機内の温度調整をはじめ
搬入〜積み付け〜機内搭載までの作業工程時間を分単位で調整する必要がありました。
お客様もご懸念される作業工程は、事前に貨物毎に線表で示し、空港現場とお客様との確認を重ね
温度管理を逸脱させない管理体制を整えていきました。 当日の搬入にはお客様にもご協力いただきながら、最後は空港現場の対応力で確実に進めることで お客様にもご納得いただけたスムーズなハンドリングをご提供できました。 お客様のニーズを営業部門が、品質高いハンドリングを空港部門が、温度調整対応に協力いただいた整備部門 オフライン空港に向けて準備いただいた運航部門と多くの部門が連携して成し得た輸送でした。

宇都 亮馬さん
成田ウェアハウスオペレーションセンター
貨物サービス部 運送5課
今回のチャーター実現には、営業・企画・現場の三位一体の連携が不可欠でした。
お客様からの要望を実現するため、同行セール時から営業担当と共同で『輸送の見える化』を推進。貨物の形状やサイズを事前に共有して頂き、搬入から搭載方法までの一連の作業工程を作成できたこと
またシミュレーションシステムを用いた搭載検証を実施しました。
その結果、荷主様が懸念していた課題を、契約締結前の段階で解消できたことが信頼獲得の鍵となりました。 また、我々プロフェッショナルユニットのハンドリングにも満足していただいたこと嬉しく思います。
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