約款
国際運送約款
2024年12月28日 発効
おことわり:日本語による国際運送約款は、お客様の参考のためのものであり英文によるものが正文となっておりますのでご注意下さい。
第 1 条(定義)
「事前のとりきめ」とは、貨物の差出に先立って、荷送人と運送人との間でなされる特別の手配をいいます。
「航空運送状」とは、荷送人によって又は荷送人に代って作成された非譲渡証券で、運送人の路線上の貨物運
送に係る、荷送人と運送人との間の契約を証するものをいいます。
「会社」とは、全日本空輸株式会社をいいます。
※株式会社エアージャパンによる運送の場合は、「会社とは、株式会社エアージャパンをいいます。」と読み替えるものとします。
「会社規則」とは、この約款以外の貨物の国際運送に関する会社の規則及び規定(運賃料率及び料金の表を含みます。)をいいます。
「貨物」とは次のいずれかをいいます。
(1)「物品」と同義語で、郵便物及び手荷物を除く、航空機で運送され又は運送することができる一切のものをいいます。但し航空運送状により運送される別送手荷物は貨物とします。
(2)「受託貨物」と同義語で、この約款に別段の定めのある場合を除き、運送人が一荷送人から一時に一ヶ所で受けた一個又は数個の物品で一口として一通の航空運送状により一到達地住所の一荷受人に宛てての運送のために受領されるものをいいます。
「運送」とは、「輸送」と同義語で、無償又は有償での貨物の航空運送をいいます。
「運送人」とは、航空運送人をいい、航空運送状を発行する航空運送人及び当該航空運送状により貨物を運送し若しくは運送を引受けるすべての航空運送人又は当該航空運送に付随するその他の業務を行ない若しくはそれを引受けるすべての航空運送人を含みます。
「料金」とは、貨物の運送に適用する賃率に基づき当該運送のために支払われる料金額又は貨物の運送と関連する特別の業務若しくは付随的業務のために支払われる料金額をいいます。
「着払料金」とは、荷受人から徴収すべく航空運送状に記入された料金をいいます。
「市内空港間サービス」とは、運送人の市内貨物取扱所と出発地空港又は到達地空港との間の貨物の地上運送をいいます。
「荷受人」とは、運送人が貨物を引渡すべき者として航空運送状にその名を記入されている者をいいます。
「条約」とは、次のいずれかの条約のうち、当該運送契約に適用になるものをいいます。 1929 年10月12日ワルソーで署名された「国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約」(以下「ワルソー条約」といいます。)。1955年9月28日へーグで署名された「1955年にヘーグで改正されたワルソー条約」 (以下「ヘーグ改正ワルソー条約」といいます。)。
1975 年のモントリオール第四議定書で改正されたへーグ改正ワルソー条約(以下「モントリオール改正ワルソー条約」といいます。)。1999年5月28日モントリオールで署名された「国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約」(以下「モントリオール条約」といいます。)。
「通関荷受人」とは、「通関取扱代理人」と同義語で、荷受人に代り通関手続を行うべく指定されている通関業者又はその他の荷受人の代理人をいいます。
「日」とは、暦に従う日数をいい、日曜日及び国民の祝日を含みます。但し通知のための日数計算にあたっては、通知を発した日を数えません。また、終日が日曜日又は国民の祝日にあたる場合には、これを数えません。
「配達サービス」とは、到達地空港から荷受人の住所若しくは荷受人の指定代理人の住所又は関係官公署の要求に基づく当該官公署までの入国貨物の地上運送をいいます。
「到達地」とは、運送契約による終目的地をいいます。
「フランス金フラン」とは、純分1000分の900の金の65.5 ミリグラムからなるフランス・フランをいいます。フランス金フランは、各国の通貨の端数のない額に換算することができます。
「国際運送」とは、条約が適用する場合を除き、運送契約により出発地といずれかの着陸地が2国以上ある運送をいいます。この定議で使用する「国」には主権、宗主権、委任統治権力又は信託統治の下にある全地域を含みます。
「集荷サービス」とは、集荷地点から出発地空港までの出国貨物の地上運送をいいます。
「賃率」とは、物品の単位重量(若しくは単位容積)又は単位価額の運送に対して運送人が申し受ける金額をいいます。
「SDR」とは、国際通貨基金の定める特別引出権(スペシャルドローイングライト)をいいます。
SDR 建で示された額の各国通貨への換算は、次により行うものとします。
(1)この約款の第 13 条(A)項においては、航空運送状の発行日に有効な当該通貨の SDR 価値によります。
(2)この約款の第 13 条(B)項第(4)号においては、訴訟の場合には、最終口頭弁論終結の日に有効な当該通貨の SDR 価値により、また、訴訟以外の場合には、支払うべき損害 賠償金額の確定した日に有効な当該通貨の SDR 価値によります。
「荷送人」とは、運送人と貨物運送契約を締結する当事者として航空運送状にその名を記入されているものをいいます。
「包括運送サービス」とは、荷送人と会社との間における第10条(A)に定める「明示の合意」に基づき、空港間の運送と併せて出発地空港までの運送又は到達地空港以遠への運送を包括的に提供する航空運送をいいます。
第 2 条(約款の適用)
(A)(総 則)
この約款及び会社規則の定めは、条約上のいかなる規定をも修正し又はいかなる権利をも放棄するものではありません。
(B)(適 用)
条約と抵触しない範囲において、この約款は、会社の国内線のみの運送に関する会社の約款が適用する場合を除き、この約款に付属して公示した賃率及び料金により会社が行なう貨物のすべての運送及びこれに付随するすべての業務に対して適用します。
(C)(割引運送)
割引運送に関しては、会社はこの約款の全部又は一部の適用を排除する場合があります。
(D)(貸切運送)
会社との貸切運送契約に従い行なわれる貨物の運送に関しては、貸切航空便による運送に関する会社の約款が当該運送に適用します。
(E)(変更)
適用法令並びに官公署の規制、命令及び指示により必要とされる場合を除き、会社は、この運送約款又はそれに基づく会社規則を変更できるものとし、変更をする際は相応の期間をもって、ホームページへの掲示等の適切な方法により、運送約款の変更内容等を告知するものとします。
(F)(適用約款)
貨物の運送は、会社による航空運送状の発行日に有効なこの約款及び会社規則の定めに従います。
第 3 条(航空運送状の作成)
(A)(荷送人による準備)
(1)荷送人は、会社が定める様式、方法及び枚数に従って航空運送状を作成し又は作成させ、会社が運送のため貨物を受託するときに、会社に引渡さなければなりません。ただし、運送料金その他の料金は、確定している限りにおいて、会社が航空運送状に記入します。
(2)2 以上の荷がある場合又は受託貨物のすべてを一航空機で運送することができない場合若しくは受託貨物のすべてを一通の航空運送状により運送することが官公署の指示又は会社の規則に違反する場合には、会社は、航空運送状を2通以上に分割して作成するよう又は作成させるよう荷送人に要求することがあります。
(B)(貨物の外見及び状況)
貨物又は荷造の外見及び状況が良好でない場合には、荷送人は、当該貨物の外見及び状況を航空運送状に記入しなければなりません。荷送人が当該記入をしなかった場合又は当該記載が不正確な場合には、会社は、当該外見及び状況について航空運送状に記入し又は航空運送状上に訂正を記載することがあります。
(C)(準備、補完又は訂正)
会社は、荷送人の明示又は黙示の要求により、航空運送状を作成することがあります。 この場合には、反証がない限り、会社が荷送人に代わり航空運送状を作成したものと見做します。貨物と共に差出された航空運送状に必要記載事項の遺漏がある場合又は誤記がある場合には、会社は、可能な限り航空運送状を補完し又は訂正しますが、その義務を負うものではありません。
(D)(記入内容に関する責任)
荷送人は、荷送人が航空運送状に記入し又は会社が荷送人に代って航空運送状に記入した記入事項及び記載内容が正確かつ完全であることにつき会社その他のすべての者に対して責任を負います。荷送人が航空運送状を作成し又は作成させたかどうかを問わず、また、前項の定めに従い会社が荷送人に代わり航空運送状を作成(又は補完)したかどうかを問わず、荷送人は、当該記入事項及び記載内容の不適法、不正確又は不備により会社その他の者が受ける一切の損害に対して責任を負うものとします。
(E)(変 造)
会社は、毀損又は運送人以外の者により変造された航空運送状を受付けません。
第 4 条(賃率及び料金)
(A)(適用賃率及び料金)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、この約款及び会社規則の定めに基づく運送には、 会社が適法に公示した賃率及び料金で、航空運送状の発行日に有効な賃率及び料金が適用します。収受した賃率又は料金が上記に基づき適用する賃率又は料金でない場合には、各場合に応じて、その差額を荷送人若しくは荷受人に払戻し又は荷送人若しくは荷受人から追徴します。
(B)(空港間の運送のみへの適用)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、賃率及び料金は、出発地の空港から到達地の空港までの運送にのみ適用します。
(C)(賃率及び料金の適用優先順位)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、会社規則に公示している通し賃率又は料金は、同一経路による同一地点間に適用する区間賃率又は区間料金を合算した賃率又は料金に優先して適用します。
(D)(重量割引)
同一の出荷形態での同一経路による同一地点間の同一品目につき重量段階の異なる2以上の賃率がある場合には、次のいずれか最も低額の料金を適用します。
(1)当該貨物の重量に基づき当該重量に適用する賃率により算出した料金。
(2)当該貨物の重量に適用する重量段階よりも重い次の重量段階の重量に基づき当該の重い重量に適用する賃率により算出した料金。
(3)貸切飛行扱貨物に適用する料金。
(E)(賃率及び料金に含まれない業務)
公示賃率及び料金は、その公示賃率及び料金に示されている地点又はその地点に近接する地点の空港その他の着陸地間の貨物の航空運送に適用します。会社規則に別段の定めのある場合を除き、当該公示賃率及び料金は、次の業務又は費用を含みません。
(1)会社が航空便を運航している空港における集荷サービス、配達サービス及び市内空港間サービス。
(2)保管及び倉庫業務。
(3)保険料。
(4)前払費用。
(5)貨物の通関のため会社その他の者(荷送人、荷受人、荷主又は会社の代理人として行為をするかどうかを問いません)が支出する費用。
(6)官公署により賦課徴収される手数料又は課料(公租公課を含みます)。
(7)荷造補修のために会社が支出する費用。
(8)他の運送機関による出発地空港までの貨物の運送、貨物の積替若しくは到達地以遠への貨物の運送のための費用又は出発地への貨物の返送のための費用。
(9)その他類似の業務又は費用。
(F)(料金の支払い)
(1)料金は、為替関係法令及び官公署の規則に反しない、会社が指定する通貨であれば、賃率又は料金が公示されている通貨以外の通貨でも支払うことができます。公示賃率又は料金の支払い通貨への換算は、会社が定める換算率により、次に従いなされます。
(a)料金前払貨物(すなわち、運送のための貨物の受取にあたり荷送人より料金が支払れる貨物)の場合には、航空運送状の発行日に有効な換算率を適用します。
(b)料金着払貨物(すなわち、引渡のときに荷受人により料金が支払われる貨物)の場合には、貨物の到着通知が荷受人宛に発送された日に有効な換算率を適用します。
(2)前払若しくは着払の適用料金の全額、手数料、公租公課、諸費用、前払金及び会社が支出し又は支出させられた支払金並びに会社に支払われるべきその他のすべての金額は、 貨物の滅失、紛失、毀損又は航空運送状に明記された到達地への不着にかかわらず、その全額が支払われなければなりません。貨物の滅失、紛失又は毀損に係る損害賠償請求はすべての運送の支払がなされなければ受付けません。ただし、貨物のどの部分も引渡されていない場合には、当該貨物の運送料金が未払であったとしても当該貨物に関する損害賠償請求を受付けます。損害賠償額を当該運送費用から差引くことはできません。
(3)運送のため貨物が差出された時点で確定できない料金、費用又は立替金については、会社は、当該料金、費用及び立替金を補うに十分であると会社が認める概算額を会社に預入れるよう荷送人に対して要求することができます。当該預入にともなう会社から荷送人に対しての残金の払戻又は荷送人から会社に対しての追加支払については、運送契約の完了後の当該料金、費用及び立替金の額が確定した時点で精算します。
(4)会社が事前にクレジット供与に同意した場合を除き、貨物に適用するすべての料金は、料金前払貨物(すなわち、運送のための貨物の受取にあたり荷送人により料金が支払われる貨物)の場合には、会社がその貨物を受取ったときに、料金着払貨物(すなわち、引渡のときに荷受人により料金が支払われる貨物)の場合には、会社がその貨物を引渡すときに、現金又は会社の指定する他の支払手段で支払われなければなりません。
(5)荷送人は、すべての未払料金、前払金及び会社の立替金の支払並びに次の事由により会社が支払い又は蒙ったすべての経費、出費、罰金、科料、時間の空費、損害その他の金額の支払につき保証するものとします。
(a)法令により運送が禁止されている品目の貨物への混入。
(b)荷印、荷番号、宛名若しくは荷造又は貨物の表示の不適法、不正確又は不備。
(c)輸出入許可書又は必要証明書若しくは書類の不存在、遅延又は不備。
(d)税関に対する不正な価額申告。
(e)重量又は容積についての不正確な記述。 貨物の引渡を受けるにあたり又は運送契約上の他のすべての権利の行使にあたり、荷受人は、前払料金を除く上記料金、金額及び前払金の支払に同意するものとします。 ただし、この同意は、当該金員に対する荷送人の支払債務を免除するものではありません。会社は、上記の支払の確保のため貨物に対し留置権を有するものとし、当該支払がなされない場合には、その貨物を競売又は任意売却に付し(ただし、売却に先立ち、会社は航空運送状に記入された住所の荷送人又は荷受人に宛ててその旨を郵便で通知します)、当該売却代金をもって上記支払金額の全部又は一部に充当する権利を有します。ただし、当該売却は、不足金額に対する支払債務を免除するものではなく、 荷送人及び荷受人は、連帯して当該支払債務を負担するものとします。当該留置権又は売却する権利及び前記費用を徴収する会社の権利は、現実に支払がなされない限り、支払承認により影響され、消滅し又は損われるものではなく、また、上記支払金額を徴収する会社の権利は、貨物の引渡又は貨物の占有の放棄があっても影響され、 消滅し又は損われるものではありません。
(6)貨物の総重量、寸法、数量又は申告価額が当初に運送料金の計算基礎となった総重量、 寸法、数量又は申告価額を超過する場合には、会社は、当該超過に基づく料金の支払を要求することができます。
(7)前払料金から着払料金への変更、又その逆の変更はできます。ただし、この要求は、貨物の荷受人又はその代理人への引渡し前に荷送人により書面でなされた場合に限ります。
(G)(端数の処理)
(1)賃率又は料金の計算の結果端数のある額となる場合には、会社規則に従い、所定の単位に四捨五入します。
(2)容積計算にあたっては 2 分の 1 センチメートル未満又は 2 分の 1 インチ未満の端数は切捨て、2 分の 1 センチメートル以上又は 2 分の 1 インチ以上の端数は 1 センチメートル又は 1 インチに切り上げます。
(3)2 分の 1 キログラム以下の端数は2分の1キログラムとして料金を申し受け、2分の1キログラムを超える端数は1キログラムとして料金を申し受けます。
(4)1ポンド未満の端数は1ポンドとして料金を申し受けます。
(5)容積の計算は荷の最大容積に基づくものとし、数個の荷が一緒にゆわえつけられている場合には、ゆわえつけられた荷全体の最大容積に基づきなされます。最大容積は、荷の最大高、最大幅及び最大長の相乗積とします。
(H)(料金の基礎)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、運送のための賃率及び料金は、貨物の総重量に基づいた料金又は総容積に基づいた料金のいずれか高い額に、従価料金が適用する場合には、これを加算したものとし、次の定めに従い算出します。
(1)料金は、出発地空港で決定された重量又は容積に基づき次に示す方法により計算し、より高い額となるものを申し受けます。
(a)適用賃率又は料金がキログラム単位で公示されている場合には、料金は、貨物の総重量に基づいて申し受けます。この場合重量1キログラム当り6,000 立方センチメートルを超える貨物は、6,000 立方センチメートルを1キログラム、3,000 立方センチ メートル以下の容積を2分の1キログラム、3,000立方センチメートルを超える容積を1キログラムとしてそれぞれ料金を申し受けます。
(b)適用賃率又は料金がポンド単位で公示されている場合には、料金は、貨物の総重量に基づいて申し受けます。この場合重量1ポンド当り166 立方インチを超える貨物は、 166 立方インチ又はその端数を1ポンドとして料金を申し受けます。
(2)(a)価額に基づく料金が適用するかどうかを問わず、荷送人は航空運送状面に運送にあたってのすべての貨物の価額を申告しなければなりません。
(b)当該価額申告はいかなる金額においてもすることができ、「NVD(無申告)」という記載でも当該申告をしたことになります。
(3)(a)運送にあたっての申告価額が会社規則に定める価額を超える貨物については会社規則に従って従価料金を申し受けます。
(b)従価料金を適用する場合のキログラム当り又はポンド当りの貨物の価額は、運送にあたっての荷送人の申告価額を貨物の実総重量で除したものとします。
(I)(最低料金)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、適用賃率及び貨物の実重量(又は容積)に基づき算出した料金の総額(従価料金を除きます。)が会社規則に定める貨物一件当りの最低料金より低額の場合には、当該最低料金を申し受けます。
(J)(立替払手数料)
荷送人からの要求に基づき、会社は、運送料金、荷車運送料、保管料、会社以外の者が行なう搭載又は取卸のための手数料、公租及び通関手数料等の立替払金として航空運送状に記載された金額を荷受人から徴収します。立替払金額の徴収及び荷送人への送金に対しては、会社規則に定める手数料を申し受けます。 立替払金額の変更は、貨物の荷受人又はその代理人への引き渡し前に荷送人により書面でなされなければなりません。
(K)(着払手数料)
着払料金扱いに対しては、会社規則に定める手数料を到達地空港において申し受けます。
(L)(航空運送状発行手数料)
会社が航空運送状を作成又は補完する場合には、会社規則に定める手数料を申し受けます。
(M)(未公示賃率及び未公示料金の構成)
二地点間の賃率又は料金を特定して公示していない場合には、当該賃率又は料金は会社規則に従い構成されます。
第 5 条(貨物の運送引受)
(A)(価額制限)
(1)運送にあたっての受託貨物の申告価額が 100,000 米国ドル(又はその相当額)を超える場合には、会社は、事前のとりきめがなされない限り運送を引受けません。
(2)一航空機で運送する一口の受託貨物又は数口の受託貨物の価額限度は、2,000,000米国ドル(又はその相当額)とします。一口の受託貨物についての荷送人による申告価額が当該限度額を超える場合には、同一航空機で運送することはできず、会社の判断のみにより二以上の航空機に分割して運送することができます。貨物の申告価額の合計が本条の定めに違反し又は違反することとなるような貨物については、会社は、同一航空機での当該貨物の運送を拒否することができます。
(B)(貨物の荷造及び荷印)
(1)荷送人は、貨物が通常の取扱により安全に運送されるような方法で、かつ、人又は財産に損傷を与えないような方法で適切に梱包されていることを確実にする責任を負います。各荷には荷送人及び荷受人の氏名及び住所地番を明瞭に、かつ、消えないように記名しなければなりません。
(2)会社規則に定める高価品を含む荷は、会社が認める方法で封印しなければなりません。
(C)(引受可能貨物)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、貨物を取扱うに必要な種類及び機能の適用な機材があり、かつ、旅客及び郵便物の搭載後の許容搭載量に余裕があれば、会社は、あらゆる種類の雑貨、物品、製品及び生産物の運送を引受けます。ただし、次の各号を条件とします。
(1)当該品目の運送又は輸出入が出発国、到達国、経由国又は通過国の法令又は規則により禁止されていないこと。
(2)当該品目が航空機による運送に適した方法で梱包されていること。
(3)当該品目に運送のため必要な書類が添付されていること。
(4)当該品目が航空機、人若しくは財産に危険を与え又は旅客に迷惑をかけるおそれのないこと。
(D)(条件付引受貨物)
(1)会社が定める次の物品は、会社規則に定める条件に従ってのみ、運送を引受けます。
(a)銃器。
(b)遺体及び遺骨。
(c)生きている動物(家畜、鳥、爬虫類、魚、貝、昆虫類及び愛玩動物を含みますが、これらに限るものではありません。)。
(d)変敗物。
(e)火薬類、高圧ガス、引火性液体、可燃性固体、酸化性物質、毒物、放射性物質、腐食性物質、及び健康、安全又は財産に著しい危険をおよぼす恐れのあるような物質等の危険物。
(2)会社は、料金前払貨物扱又は料金着払貨物扱のいずれでも貨物の運送を引受けます。ただし、会社は、次の貨物については、事前のとりきめがなされない限り、料金着払貨物扱での運送はしません。
(a)自由を拘束されている人宛の貨物。
(b)政府機関宛の貨物。ただし、政府機関が適当な証明書を提示して出荷する場合を除きます。
(c)商品販売価額が当該貨物の運送料金より低い貨物。
(d)変敗物を内容とする貨物。
(e)通貨規制又は会社の規則により料金着払貨物扱での貨物の引渡を禁止している国宛の貨物。
(f)生きている動物(家畜、鳥、爬虫類、魚、貝、昆虫類及び愛玩動物を含みますが、これらに限るものではありません。)。
(g)遺体及び遺骨を内容とする貨物。
(h)別送手荷物。
(3)異常な重量、形状又は大きさの荷又は物品は、事前のとりきめがなければ運送を引受けません。貨物の安全な取扱のため特別の設備を必要とする貨物は、当該特別設備を荷送人又は荷受人が準備して操作しその費用を負担する場合にのみ運送を引受けます。
(4)貨物の単位面積当りの重量が会社規則に定める床面搭載制限重量を超える貨物には、当該貨物を搭載する航空機内で使用する適当な受木又は受台を取付け、単位面積当りの重量が床面搭載制限重量以下となるようにしなければなりません。当該受木又は受台の重量は、当該貨物の重量に加重されます。
(E)(特殊貨物に関する条件の違反に対する責任)
運送引受禁止貨物又は条件付運送引受貨物に関する条項の違反に対する責任は、その貨物の荷送人及び荷主が負うこととし、当該貨物の運送により生ずる一切の滅失、紛失、損失、毀 損、遅延、責任又は科料につき、両者は連帯して会社を免責するものとします。
(F)(貨物の検査)
会社は、すべての貨物の梱包及び内容を検査する権利及び貨物に関連して提出された情報及び書類が正確であるか又は充分であるかを調査する権利を有しますが、その義務は負いません。
(G)(パレット・コンテナ等の単位搭載器具)
荷送人がパレット・コンテナ等の単位搭載用具に積付けを行なう場合には、荷送人は会社の積付け指示を守らなければなりません。荷送人は、会社の指示を守らなかったことによる結果に対して責任を負い、会社を免責するものとします。
第 6 条(運送中の貨物)
(A)(法令の遵守)
(1)荷送人は貨物の運送にあたっての到達国、出発国、あるいは、あらかじめ通知されている経由若しくは通過予定国の、貨物の荷造、運送又は引渡その他に関するすべての法令、税関その他の官公署の規則を遵守し、かつ、当該情報を提供し、当該法令及び規則を遵守するため必要な書類を航空運送状に添付しなければなりません。荷送人は上記義務を遵守しなかったことに起因する損害について、会社に対して責任を負います。会社は、当該情報又は書類が正確であるか又は充分であるかを調べ直す義務を負いません。 会社は、荷送人が本項の定めに従わないために生ずる損失又は費用については荷送人、 荷受人その他の者に対して責任を負いません。
(2)会社が適用法令、官公署の規則、要求、命令又は指示により、貨物の運送を拒絶する必要があると相当なる注意をもって善意で決定し、運送を拒絶する場合には、会社は、いかなる責任も負いません。
(B)(立替払及び税関手続)
会社は貨物に関する公租公課又は費用を前払し又は立替払しますが、その義務は負いません。また、荷送人、荷主及び荷受人は連帯して、当該前払金及び立替金の支払につき責任を負わなければなりません。荷送人があらかじめ支払う場合を除き、会社は、貨物の出発地空港までの運送又は到達地空港以遠への運送に関するいかなる費用をも支払い又は前払する義務を負いません。ある地点で貨物の通関手続をする必要がある場合には、貨物は、航空運送状面に通関荷受人として記名されている者に当該地点で引渡されたものと見做します。ただし、航空運送状面に当該通関荷受人の記名がないときは、会社又は会社が指定する通関荷受人に引渡されたものと見做します。上記の目的のために会社が認証した航空運送状の写は原本と見做されます。
(C)(運送中の貨物に対する運送人の権利)
運送中、運送前又は運送後に貨物をある地点で何らかの目的のため留め置く必要があると会社が判断した場合には、航空運送状に記載された住所の荷送人又は荷受人に通知したうえで、会社は、その貨物の荷送人、荷主及び荷受人又はそのいずれかの者の計算のために、その危険と費用で貨物を倉庫その他の保管可能な場所で保管し若しくは税関当局に引渡し又は 荷受人に宛て前途運送するために貨物を他の運送機関に引渡します。上記の措置にともなう一切の費用又は危険については、当該貨物の荷送人、荷主又は荷受人は連帯して責任を負い、会社を免責するものとします。
(D)(スケジュール、経路及び取消)
(1)時刻表又はその他のところに示されている時刻は、予定であって、保証されたものではなく、また、運送契約の一部をなすものではありません。貨物の運送開始日時若しくは完了日時又は引渡日時についての特定の日時を確約しません。会社は、予告なしに運送人又は航空機を変更することがあります。会社規則に別段の定めのある場合を除き、会社は、特定の航空機若しくは特定の経路により貨物を運送すること又は特定のスケジュールに従っていずれかの地点で接続をすることに対して何らの義務も負うものではありません。航空運送状面に記載された経路にかかわらず、会社は、貨物の運送経路を選定し又は逸脱することがあります。この場合、荷受人はすべての料金及び立替金の支払を保証することとします。
(2)会社は、時刻表その他のスケジュールの表示上の誤記又は遺漏に対し責任を負いません。会社の職員、代理人又は代表者は、発着の日時又は航空便の運航につき陳述し又は表示し、それによって会社を拘束する権限を有しません。
(3)会社は、次の事由のため妥当と判断した場合には、予告なしに、航空便若しくはその後の運送の権利を取消し、打切り、迂回させ、延期させ、遅延させ、又は早発させ、また、貨物の全部又は一部を搭載せずに航空便を出発させることができます。
(a)会社の管理不能な事実(気象条件、不可抗力、ストライキ、暴動、騒擾、出入港停止、戦争、敵対行為、動乱又は国際関係の不安定をいいますが、これらに限定するものではありません。)で、現実に発生し、発生のおそれがあり若しくは発生が報告されているもの又はその事実に直接若しくは間接に起因する遅延、要求、条件、事態若しくは要件。
(b)予測、予期又は予知し得ない事実。
(c)官公署の規制、命令、要求又は指示。
(d)労働力、燃料若しくは設備の不足又は会社その他の者の労働問題。
(4)会社の要請にもかかわらず荷送人が請求料金の全部若しくは一部の支払を拒絶した場合には、会社は、貨物の運送を取消すことができます。この場合、会社は、当該取消に対し一切責任を負いません。
(5)航空便が前記の事由により、到達地以外の地点で取消され、打切られ、迂回され、延期され、遅延され又は早発された場合又は貨物の運送が前記の事由により取消され、打切られ、迂回され、延期され、遅延され又は早発された場合には、会社は、当該事態につき一切責任を負いません。前記の事由により貨物の全部又は一部の運送が打切られた場合には、会社は、荷送人の負担でそれを倉庫に保管し、荷送人若しくは荷受人の負担で当該貨物を他の経路で前途運送し又は荷送人若しくは荷受人の負担で、荷送人若しくは荷受人に代わりその代理人として、他の運送機関により前途運送することができます。 前記の事由により貨物の全部又は一部の運送が打切られた場合には、積替若しくは引渡のための又は当該貨物を保管するための貨物取扱人に対する会社による貨物の引渡は、 航空運送状に基づく完全な引渡と見做し、会社は、航空運送状に記載された住所の荷送人又は荷受人に宛てて貨物の当該処分の通知を発する以外に何らの責任も負いません。
(6)適用法令、官公署の規制及び命令に基づき、会社は、適正、公平な方法で各受託貨物間又は受託貨物と他の物品、郵便及び旅客との間の運送の優先順位を決定するとともに、いついかなる時点においても運送する物品と運送しない物品又は取卸す物品を決定し、一口の貨物の全部又は一部を搭載せずに航空便を出発させることがあります。
第 7 条(荷送人の貨物処分権)
(A)(処分権の行使)
貨物の処分権の行使は、荷送人によりなされなければならず、かつ、一航空運送状の下の受託貨物の全体に対して適用されなければなりません。貨物に対する処分権は、荷送人が荷送人に交付された航空運送状の一部を提示した場合にのみ行使することができます。処分に関する指図は、会社の定める書式による書面で会社に対しなされなければなりません。処分権の行使の結果、荷受人に変更が生ずる場合には、当該新荷受人が航空運送状に当初から記載されていた荷受人と見做します。
(B)(荷送人の選択権)
荷送人が運送契約上のすべての義務を履行することを条件とし、かつ、会社、他の運送人又は他の荷送人の権利を損わないような方法で処分権を行使することを条件として、次のいずれかにより貨物を処分することができます。
(1)出発地空港又は到達地空港で貨物を取戻す。
(2)運送の途中で着陸の際に貨物を留め置く。
(3)航空運送状に記載した荷受人以外の者に対し到達地又は運送の途中で貨物を引渡させる。
(4)出発地空港への貨物の返送を請求する。
(C)(費用の支払)
荷送人は、処分権の行使の結果会社の受けた損失又は損害に対して責任を負い、かつ、会社を免責するものとします。荷送人は処分権の行使により生じたすべての費用を会社に支払わなければなりません。
(D)(運送人の履行不能)
(A)項の定めにかかわらず、会社が荷送人の指図に従うことができないと判断する場合には、会社は、荷送人の当該処分権の行使を拒絶することができます。この場合には、会社は速やかに荷送人に対し、その旨を通知します。当該通知に要する費用は貨物の運送費用としてこれを追徴します。
(E)(荷送人の権利の範囲)
荷送人の処分権は、貨物が到達地に到着後、荷受人が貨物若しくは航空運送状を受取り若しくは引渡しを請求し又は貨物受取の意思表示をしたときに消滅します。ただし、荷受人が航空運送状若しくは貨物の受取を拒んだとき又は荷受人を知ることができなかったときは、当該処分権は、引続き荷送人に帰属するものとします。
第 8 条(引渡)
(A)(荷受人に対する引渡)
(1)航空運送状に別段の指定がある場合を除き、貨物の引渡は、航空運送状面に記載された荷受人に対してのみ行ないます。ただし、当該荷受人がその貨物運送に参加している数人の運送人の一人である場合には、引渡は通知されるべき者として航空運送状面に指定された者に対して行ないます。適用法令又は税関規制の定めるところにより貨物を税関その他の官公署に引渡し、会社が荷受人に対し荷受人が貨物の引渡しを受けるに必要な許可を交付し、かつ、(B)項に定める到着通知を発送した場合には、荷受人に対する引渡は有効になされたものと見做します。
(2)貨物の引渡は、荷受人の受領書と引換えに、かつ、航空運送状及びこの約款の条項に従って行ないます。
(B)(到着通知)
第10条の定めに従い貨物が到達地空港以遠に運送される場合を除き、別段の指示がない場合には、貨物の到達通知は、通常の方法により、荷受人又は航空運送状に明示された到着通知先に対して行ないます。会社は当該通知を受信しなかったこと又は当該通知の受信遅延に対しては責任を負いません。
(C)(荷受人による受取拒絶)
(1)第(E)項の定めが適用する場合を除き、引渡地への到着後荷受人が貨物の受取を拒絶し又は貨物を受取らない場合には、会社は、航空運送状面に記載された荷送人の指図に従うよう努力します。当該指図が記載されていない場合又は当該指図に従うことが困難な場合には、会社は荷受人が受取らない旨を荷送人に通知し、荷送人の指図を求めます。もし当該指図が30日以内に得られなかった場合には、会社は、当該貨物を一括して又は数口に分割して競売又は任意売却に付すか、減却又は廃棄することができます。
(2)荷送人及び荷主は、貨物を受取らなかったことに起因するすべての料金及び費用に対し責任を負います。当該料金及び費用等には、荷送人の指図により返送した場合には貨物の返送にあたり支払った運賃を含みますが、これに限るものではありません。貨物が出発地空港に返送された場合に荷送人又は荷主が支払を拒絶し又は当該返送後15日以内に当該支払を行なわないときは、会社は航空運送状に記載された住所の荷送人に対し処分する旨を10日前に通知し、競売又は任意売却により貨物の全部又は一部を処分することができます。
(3)到達地又は貨物が返送された地点での前第(1)号及び第(2)号に定める貨物の売却の場合には、会社は当該売却代金をもって、会社及び他の運送機関のすべての料金、前払金及び費用並びに売却経費の会社及び他の運送機関に対する支払にあてることができ、残額があれば荷送人の指示に従い保管します。当該貨物の売却は会社に対する不足額の支払債務につき、荷送人又は荷主を免除するものではありません。
(D)(引渡場所)
会社が別段の指示をしない限り又は会社規則に別段の定めのない限り、荷受人は到達地空港で貨物の引渡を受けて貨物を受取らなければなりません。
(E)(変敗物の処分)
変敗物を内容品とする貨物が会社の管理下にあるときに遅延し又は到達地で引取がなされず若しくは引取が拒絶され又はその他の事由により腐敗するおそれがある場合には、会社は直ちに、会社及び他の利害関係人のために必要な措置をとります。当該措置には、貨物の全部又は一部の破壊又は破棄、荷送人の危険と負担とで指図を求めて連絡をとること、荷送人の危険と負担とでの貨物の全部又は一部の保管、競売又は任意売却による貨物の全部又は一部の予告なしでの処分を含みますが、これらに限るものではありません。当該貨物の売却は、 会社に対する料金及び費用の支払債務につき荷送人が免除するものではありません。
第 9 条(貨物添乗者)
貨物その他の財産、航空機又はその乗務員の安全のために必要な場合には、会社は、事前のとりきめにより貨物に付添う目的で貨物専用機で又は貨客混用機の貨物室で貨物添乗者を運送します。会社規則に別段の定めのある場合を除き、当該添乗者の運送は、会社の国際運送約款(旅客及び手荷物)の定めに従います。
第 10 条(出発地空港までの運送及び到達地空港以遠への運送)
(A)出発地空港までの運送及び到達地空港以遠への運送
航空運送状面に記載された貨物(又はその貨物を含む梱包)は出発地空港の会社の貨物ターミナル又は空港事業所での受取のときから到達地空港までにつき運送を引受けます。 明示の合意があれば、航空運送状面に記載された貨物(又はその貨物を含む梱包)は出発地空港までの運送又は到達地空港以遠への運送についても引受けます。当該出発地空港までの運送又は到達地空港以遠への運送を会社が行なう場合には、当該運送は第12条及び第13条に定める責任条項と同一の条件で行ないます。上記以外の場合には、貨物の出発地空港までの運送又は到達地空港以遠への運送にあたり、運送契約上会社が、航空運送状を発行した運送人又は後の運送人であるときは、会社は、各場合に応じて荷送人、荷主又は荷受人の代理としてのみ当該運送を手配します。この場合、会社は、当該付随的運送か ら発生する損害については、会社自身の故意又は過失に起因するものであることが証明されない限り、一切責任を負いません。荷主及び荷受人は、当該出発地空港までの運送又は到達地空港以遠への運送を実施するために必要なすべての権限を会社に委任することとし、 当該委任権限には、出発地空港までの運送又は到達地空港以遠への運送のための運送手段及びその運送経路の選択(ただし、航空運送状に荷送人が特に指定している場合を除きます。)、運送書類の作成及び受領(当該運送書類には責任を免除し又は制限する規定を含むことができます。)並びに航空運送状上の価額申告にかかわらず価額無申告での貨物の託送に関する権限を含みますが、これらに限るものではありません。
(B)包括運送サービスの適用
会社が包括運送サービスを提供する場合は、この約款に加え、会社が別に定める条件についても荷送人と会社の間で前項に定める明示の合意があったものとみなします。この場合において会社は、包括運送サービスの提供のため必要な範囲においてこの約款の一部の適用を排除することがあります。当該運送は第12 条及び第13条に定める責任条項と同一の条件で行います
第 11 条(ターミナル・サービス料金)
会社規則に定めるターミナル・サービス料金は、航空運送状に記載された荷送人又は荷受人がそれぞれの場合に応じて負担することとし、当該サービスを会社が行なう場合に徴収します。
第 12 条(運送人の責任)
(A)(相次運送人)
1 通の航空運送状により、2 以上の運送人が相次いで行う運送は、単一の取扱とします。
(B)(条 約)
条約の適用を受けない国際運送の場合を除き、会社が行う運送には、運送の中断又は積替があるかどうかを問わず、当該運送に適用になる条約に定められた責任に関する規定及び制限が適用されます。
(C)(適用法令)
前号の定めと抵触しない範囲内において、会社が行うすべての運送及びそれに付随するその他の業務は、次の定めに従います。
(a)適用法令(条約を補足する国内法又は条約に定める「国際運送」でない運送に対し、条約の規定を準用している国内法を含みます。)、官公署の規制、命令及び指示。
(b)この約款その他の会社規則(これらは、会社の営業所及び会社が定期便を運航している空港の事務所で閲覧することができます。)。
(D)(予定寄航地)
条約の適用上、予定寄航地(必要に応じて、会社はこれを変更することがあります)は、出発地及び到達地を除く、運送経路上の予定寄航地として、航空運送状に記載され又は運送人の時刻表に示されている寄航地とします。
第 13 条(責任の制限)
(A)(価額の申告)
荷送人は引渡のときに貨物の価額を申告する機会が荷送人に与えられたことを認め、かつ、 航空運送状面に「運送にあたっての荷送人の申告価額」として記載された金額が1キログラムあたり26SDR を超える場合には、その金額が荷送人の申告価額となることを了承します。
(B)(責任の制限)
会社の責任は次のとおりとします。ただし、条約又は適用法令に別段の定めがある場合において、本条の規定が、当該条約若しくは適用法令の定めよりも運送人の責任を免除し、又は当該条約若しくは適用法令で定める責任の限度よりも低い限度を定めていることにより無効とされる場合を除きます。
(挙証責任)
(1)第(2)号、第(3)号に定める場合を除いて、貨物の運送又はそれに付随して会社が行う他の業務に起因する貨物の破損、滅失、紛失、毀損又は遅延の場合における損害については、会社は、その損害の原因が航空運送中に生じたものであるときには、荷送人、荷受人その他の者に対し責任を負います。ただし、その損害が以下に定める(a) から(c)のいずれかに該当することその他その損害が会社の故意又は過失に起因して生じたものでないことが証明された場合においてはこの限りではありません。
(a)会社が法令、官公署の規制、命令又は指示に従ったことにより若しくは荷送人、荷受人その他の者がこれらに従わなかったことにより又は会社の管理できない事由により直接又は間接に生じた破損、滅失、紛失、毀損又は遅延については、一切責任を負いません。
(b)貨物の固有の欠陥又は性質にのみ起因する破損、滅失、紛失又は毀損(貨物の内容品に起因するものを含みます。)による損害(気象、気温若しくは高度の変化、通常の露出又は運送時間により品質が低下し又は腐敗するおそれのあるものを内容品とする貨物は、当該品質の低下又は腐敗による損失又は損害につき会社が一切責任を負わないことを条件として運送を引受けます。)
(c)動物の運送に関わる傷害、紛失、遅延、病気又は死亡による損害(動物の運送の場合においては、会社は、荷送人及び荷受人が会社規則に従うとともにその動物についてすべての責任を負うことを条件として運送を引き受けます。)
(2)モントリオール改正ワルソー条約の適用を受ける貨物の運送又はそれに付随して会社が行う他の業務に起因する貨物の破損、滅失、紛失又は毀損の場合(遅延の場合は含まれません)における損害については、会社は、その損害の原因が航空運送中に生じたものであることのみにより、荷送人、荷受人その他の者に対し責任を負います。ただし、その損害が以下に定める(a)から(d)のいずれかの原因からのみ生じたものであることが証明された場合においては、この限りではありません。
(a)貨物の固有の欠陥又は性質
(b)会社又は自己の職務を遂行中の会社の使用人若しくは代理人以外の者によって行われた貨物の荷造りの欠陥
(c)戦争又は武力紛争
(d)貨物の輸入、輸出又は通過に関する法令、官公署の規則、命令又は指
(3)モントリオール条約の適用を受ける貨物の運送又はそれに付随して会社が行う他の業務に起因する貨物の破損、滅失、紛失又は毀損の場合(遅延の場合は含まれません)における損害については、会社は、その損害の原因が航空運送中に生じたものであることのみにより、荷送人、荷受人その他の者に対し責任を負います。ただし、その損害が上記(2)に定める(a)から(d)のいずれかの原因から生じたものであることが証明された場合においては、その範囲において、この限りではありません。
(責任限度額)
(4)
(a)運送のための料金は、荷送人の申告価額を基礎として算出されており、会社のすべての責任は、いかなる場合にも、航空運送状面に記載された、「運送にあたっての荷送人の申告価額」を超えることはありません。荷送人による当該申告がない場合には、 会社の責任は、破損し、滅失し、紛失し、毀損し又は遅延した貨物1キログラムあたり26SDRを超えないものとします。 ただし、ワルソー条約又はヘーグ改正ワルソー条約適用を受ける運送については、会社又は自己の職務を遂行中の会社の使用人又は代理人が損害をもたらす意図をもって又は 無謀にかつ損害が生じるおそれがあることを知りながら行った行為(不作為を含みます)により損害が生じたことが証明される場合には、この限りではありません。
(b)すべての損害賠償請求にあたっては実損額を証明しなければなりません。(その他の責任制限)
(5)荷受人又はその他の引渡を受ける権利を有する者に対する貨物の全部ではなく一部の引渡の場合又は貨物の全部ではなく、一部の破損、滅失、紛失、毀損又は遅延の場合には、その未引渡部分又は損害部分に関する会社の責任は、その貨物の部分又は内容品の価額にかかわらず、重量に基づく按分額とします。
(6)荷送人及び荷受人が、自己の物品により他の貨物又は会社の財産に毀損又は破損を与えた場合には、当該荷送人及び荷受人は、それによって会社が受けた一切の損失及び費用を会社に賠償しなければなりません。会社は、その内容品である荷送人又は荷受人の物品に起因して航空機、人又は財産に危険を及ぼすおそれのある貨物を通告なしに、いつでも破棄することができ、この場合には、会社は、会社のなした措置につき一切責任を負いません。
(7)会社が他の運送人と路線の運送のために航空運送状を発行する場合には、会社は、当該運送人の代理人としてのみ行為をします。会社は、会社の路線以外で生じた貨物の破損、滅失、紛失、毀損又は遅延に対しては、責任を負いません。ただし、会社が運送契約上の初の運送人である場合に、当該破損、滅失、紛失、毀損又は遅延につき、この約款に定める条項に従い荷送人が会社に対して請求することができるとき又は会社が運送契約上の後の運送人である場合に、引渡を受ける権利を有する荷受人が会社に対して請求することができるときは、この限りではありません。
(8)会社は、この約款及び会社規則に従う運送から生じた間接損害若しくは特別損害又は懲罰的損害賠償に対しては、会社がその損害の発生を予知していたかどうかを問わず、一切責任を負いません。
(9)損害賠償請求者又は請求の被承継者の故意又は過失が、損害の原因又は原因の一部となった場合には、会社は、その故意又は過失が損害の原因又は原因の一部となった程度まで、責任を全部又は一部免除されます。
第 14 条(使用人に対する適用)
条約又はその他の適用法令に別段の定めのある場合を除き、この約款及び会社規則に定める会社の責任の排除又は制限に関する一切の規定は、自己の職務を遂行中の会社の代理人、使用人又は代表者並びに運送のために会社が使用する航空機の保有者及び自己の職務を遂行中のその代理人、使用人又は代表者に対しても適用します。これらの者に対して請求できる賠償総額は会社の約款上の限度額を超えないものとします。
第 15 条(損害賠償請求期限及び出訴制限)
(A)
(1)貨物の引渡を受ける権利を有する者が異議を述べないで貨物を受取ったときは、貨物は反証がない限り良好な状態で、かつ、運送契約に従って引渡されたものと推定します。
(2)貨物に破損、毀損があった場合には、その受取の日から14日以内に、遅延があった場合には、その貨物の引渡を受ける権利を有する者がその貨物を処分することができた日から21日以内に、滅失又は紛失(引渡不能の場合も含みます。)があった場合には、航空運送状の発行日から120日以内に当該貨物の破損、毀損、滅失又は紛失が発生したおおよその日時及び賠償請求の明細を明確に記載した書面を会社の事務所に提出しなければ、いかなる損害賠償請求も認められません。
(3)人の死傷に係る損害賠償請求を除き、前号に定める以外のすべての損害賠償請求は、航空運送状の発行の日から270日以内に文書によりなされなければなりません。
(B)(出訴期限)
貨物の責任に関する会社に対する訴えは、損害賠償請求を提起することとなった事故の発生後2年以内に提起しなければならず、その期間の経過後は提起することはできません。
第 16 条(法令違反条項)
航空運送状又はこの約款及び会社規則に定める規定が、強行法規、官公署の規則、命令又は指示に違反する場合でも、当該規定は、それらと抵触しない範囲内において依然として有効です。ある規定が無効となってもその他の条項に影響を与えるものではありません
第 17 条(改訂及び権利放棄)
会社の代理人、使用人又は代表者は、運送契約又はこの約款及び会社規則のいかなる規定をも変更若しくは改訂し又はいかなる権利をも放棄する権限を有しません。